パトリツィア・ホテル
「咲。あんた……何してんの?」


気付いたら知らぬ間に、お母さんが部屋に呼びに来ていて。

私はさらに気まずくて、全身が火照ってしまった。


「別に、何も……」

「だったら、早くなさい。遅刻するわよ!」


お母さんに急かされ、急いで制服に着替えてリビングで朝食を取った。

私の朝食は毎朝、大体同じトーストで……だけれども、気分によって、ブルーベリージャムやイチゴジャム、ハチミツを選んでつけて食べる。

今日は何だか、ハチミツをつけたい気分で、ハニートーストを頬張った。



そんな時、朝のテレビから『パトリツィア・ランドで新アトラクション誕生!』のトピックが流れて。

私は思わず、ハニートーストを吹きそうになった。


「あ、パトリツィア・ランドでまた、新しいアトラクションができたんだ。そういえば、咲。あのパトリツィア・ホテルの御曹司がクラスメイトらしいわね」

「え、ええ……」


お母さんの言葉に、私の心臓はドックン、ドックンと踊り出した。


「別世界の人種よね〜。本当につくづく、身分違いな高校に娘を入れてしまったものだわ」


お母さんは肩をすくめて苦笑いした。




(実は私……その別世界の人種と付き合うことになったんだけど〜!)


そんなこと、絶対に信じてもらえなさそうで。

いや寧ろ、頭がおかしくなったとか思われそうで……私は口に出すことができなかった。
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