カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~
なにを言い出すのかと思えば。だって俺は、彼女本人から聞いたんだぞ。
「……いや、妊娠してるはずだが」
俺の声は掠れて、ひきつっていた。なぜなら最近の俺の予想というのはことごとく外れるものだからだ。
近藤さんは真顔で「いいえ」と答える。
「昨夜、生理が来ると相談されましたよ」
えっ……。それは、おかしい。
「隼世さん。妊娠を明かされたとき、星野様になんと言われたのですか? 妊娠している、と?」
そのはずだ。
……いや、待てよ?
たしか〝妊娠〟というワードは一度も使っていない。
俺の背に、一筋の汗がツーッと流れていく。
「……いや、でも。産婦人科に行って陽性だったって……手術もする、と……」
「なんだか変な言い回しですね。検査薬ではなく産婦人科に行ったなら、陽性という言葉を使うでしょうか。手術も、〝中絶手術〟と言ったんですか?」
いや、もう、なんだか思い出せない。わからなくなってきた。