カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~

四人掛けのダイニングテーブルに、対角線に座った。
近藤さんは奥の書斎で食事をとるため、用意だけをして離れていく。

調理の音がなくなり、いきなり静まり返る。

寝起きで髪を流し無防備な顔をしている菜々花さんは新鮮で、つい視線を向ける。すると彼女も、頬を赤くして俺を見ていた。

視線が合い、俺は逸らさなければと思ったが、その前に彼女は瞳を熱っぽく潤ませて微笑む。

「な、菜々花さん……」

つい、かわいくて目が逸らせなかった。

「なんだか不思議ですね。一緒の朝なんて」

ゴクリ、と喉が鳴る。

「そう、だな。さあ、スープが冷めるから食べよう」

「はい。いただきます」

俺たちは手を合わせてからカラトリーを持ち、それぞれ朝食に手をつける。

彼女がスープを木製のスプーンで掬い、フーフーと冷ます。息を吹く唇にまた釘付けになる。

昨日は、この唇に触れたんだ。
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