カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~
二階の総務部から階段を使い、五階までひょいひょいと上る。
階段の出口を出て右手は人事部のオフィス、左手には面談に使われる応接室や会議室が並んでいる。
指定された第三会議室を迷わずノックした。
「総務部の星野です。面談で呼ばれたのですが」
『ああ、入って』
相変わらず若い男性の声がし、「失礼します」と会釈をしながら中へ入る。
長方形のテーブルを挟んで革張りのソファが置かれ、手前のドア側に男性の頭が見える。
男性は立ち上がり、こちらを向いた。
「きみが星野さんか」
私はゴクリと喉が鳴った。
光沢のあるストライプのグレーのスーツに、サラッと流れるブラウンの髪。ポケットにいれている手とスーツの裾の間には、高そうな時計がキラッと光っている。
端整だが遊び方をよく知っていそうな親しみのある顔つきをしており、系統は違うがどことなく隼世さんに似ている。