カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~

昨夜を思えば今も変わらず彼に結婚の意志があるのか自信がなく、自分で言い返した言葉にじわりと瞳が潤む。

しかし今は気にしてもしかたがない。

斗真さんは「ハア」と大きなため息をつき、引き続き私を睨み付ける。

「きみが妊娠を偽り、兄貴を騙したんだろう」

まったく予想外の話にポカンと口を開けた。

「……はい?」

「とぼけなくていい。兄貴はあの通りバカ真面目な男だ。いつか女に騙されるときが来るだろうとは思っていたよ」

「なんの話ですか……?」

「まだ言うか。すべて、家政婦の近藤から聞いたよ。兄貴は、きみを妊娠させてしまったと勘違いをしてプロポーズをし、二週間の期限付きで同居を始めたと」

突拍子もない話に、理解が追いつかない。

「すぐに誤解に気づいたが一度してしまったプロポーズを取り下げることができず、きみがすると言ったら結婚もやむなしと考えているらしい」

……この人はなにを言っているんだろう。
< 136 / 228 >

この作品をシェア

pagetop