カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~
昨夜を思えば今も変わらず彼に結婚の意志があるのか自信がなく、自分で言い返した言葉にじわりと瞳が潤む。
しかし今は気にしてもしかたがない。
斗真さんは「ハア」と大きなため息をつき、引き続き私を睨み付ける。
「きみが妊娠を偽り、兄貴を騙したんだろう」
まったく予想外の話にポカンと口を開けた。
「……はい?」
「とぼけなくていい。兄貴はあの通りバカ真面目な男だ。いつか女に騙されるときが来るだろうとは思っていたよ」
「なんの話ですか……?」
「まだ言うか。すべて、家政婦の近藤から聞いたよ。兄貴は、きみを妊娠させてしまったと勘違いをしてプロポーズをし、二週間の期限付きで同居を始めたと」
突拍子もない話に、理解が追いつかない。
「すぐに誤解に気づいたが一度してしまったプロポーズを取り下げることができず、きみがすると言ったら結婚もやむなしと考えているらしい」
……この人はなにを言っているんだろう。