カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~

「仕事はきっちりやりますから。なにもしないのにお給料なんてもらえません。……ここへ連れて来て私を窓際族にするつもりだったのでしょうが、おあいにく様です」

じろりと睨みながら皮肉を言うと、斗真さんはクスクス笑う。

「いや、逆だよ。連れ回してキツい仕事をやらせて、自主退職を狙っていた」

「はあ!?」

「しかしきみが仕事をテキパキこなしてしまうから、普通に長く秘書として勤めてもらいたくなった。肉食系なところ以外は評価しているから、よろしく頼むよ」

握手をしようと手を差し出されるが、急に認めるようなことを言う彼に驚いた私は手が出なかった。

それに、おそらく私は彼の期待には応えられないだろう。
昨夜よく考えたが、私はKAGAに長くいることはできない。
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