カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~
ーーと、いうのがここへ来た経緯だが、まさか菜々花さんが斗真の元にもいないとは思わなかった。予想が外れ、苛立ちが募る。
避けられても嫌われていても、ここへ来れば会えると思っていたのに。
「なるほど。総務部には星野さんの戦力が必要だから連れ戻しに来た、というわけだな? なら仕事ができれば彼女じゃなくても代わりの人材を補充すればいいな」
斗真は引っ掛かる言い方をし、ニッと口角を上げて笑った。
その手に乗るか。
なぜだか知らんが、斗真は俺と菜々花さんが交際することに不満があるらしい。昔から俺に接近する女性がいると「あの女は金目的だ」とか「あいつは男の地位しか見ていない」とか、やたらと突っかかってくるのだ。
しかし、今回は絶対に邪魔させない。
「残念だったな。もう誰が反対しようと、俺は気持ちを隠すつもりはない。彼女は俺が一番大切に思っている女性だ」
「へえ?」
「妊娠の件は関係ない。俺はもうずいぶん前から、彼女に救われていた。仕事上の感情だと言い聞かせてきたが、どう取り繕っても、この気持ちは恋だ」