カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~
「アッハッハ。兄貴、もしかして了のことか? あれは俺の友人の、バンブーの御曹司だよ。御曹司なら誰でもいいと思って俺があてがっただけさ。昔よくアイツの浮気をカモフラージュしてやってた貸しがあるし、女慣れしてるから、誘惑できるかと思って」
余計なことをしやがって、と斗真を睨み付ける。だいたい俺の女性の選び方に口を出すわりに、コイツは乱れすぎなんだ。
「でも、大丈夫だったよ。星野さんは、兄貴が忘れられないってソイツに興味すら示さなかったんだから」
「やっ、ちょっと、斗真さんっ」
菜々花さんは斗真がペラペラと喋るたびに足をジタバタさせるが、俺の腕の中からは抜けられない。
このときばかりは彼女の体を筋肉ばかりの腕で囲い込み、逃がすまいと捕えた。
「本当? 菜々花さん」
「やだ、もう。恥ずかしい……」
ああ、かわいいーー。
「……俺も。菜々花さんのことが、忘れられなかった」
きみの笑顔も、唇も、肌の感触も。