カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~

心の中では「ひゃあ!」と声を上げるほど心配になったのだが、この雰囲気に口を挟める度胸はまるでなく、とにかく縮こまる。

「隼世ぇ! 我が家は仮にも女性の妊娠・出産、子育てに携わっているのに、女性の妊娠を誤解するなどあってはならないことだ! 呆れてものが言えん!」

「……はい」

「お前、失礼極まりない愚行を星野さんにどう詫びるつもりだ! 言ってみろ!」

えええ? なんでそういう話になるの。
たしかに勘違いされて混乱したけど、結果的に隼世さんとこうして結ばれたわけだし、お詫びなんて今さら必要ないのに。

「それは……」

隼世さんは私にじっと目を落とす。その瞳があまりに情熱的で、目が逸らせなかった。

「一生、幸せにします」

ああーー。
どうして隼世さんはこんなにもまっすぐに、私の心を震わせるのだろう。
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