カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~
【こんばんは、加賀です。突然のご連絡すみません。今日の帰りはきちんとお話を聞くことができず、申し訳ありませんでした。今回の件、自分の責任を重く受け止めています。星野さんひとりにすべてを背負わせるわけにはいきません。とりあえず明日病院へ行くとうかがいましたが、同行させていただけないでしょうか】
あまりに予想外の文面に、「うわあっ」と声を出してスマホをソファに投げた。
半乾きの髪にかけていたタオルを口元に押しあて、ブルブル震える。
課長ったらなにを言っているんだろう。
自分でさえ気づかないほど自覚症状に乏しい病気なのだから、課長が気づくのは困難であり、彼に責任などいっさいない。病気の原因だって体質的な問題だから、仕事はまったく関係ないのだ。
というか、部下の婦人科の通院に付き添うって、どういうつもりなのだろう。上司とはいえ、他人だ。
うれしさやときめきとは違う不穏なドキドキにしばらく支配された後、硬派で義理堅い課長はこんなことまで考えるのかと落としどころを見つける。
そうだ、お金持ちの御曹司だし、そこらへん少しずれているのかも。
もちろん、さすがにこの申し出はお断り一択だ。