カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~
スマホを拾い、浅い呼吸をしながら画面をタップする。
【ご心配くださり、ありがとうございます。お気持ちだけ受け取っておきます。課長と私が不在では業務が回らないと思うので、明日はどうぞ総務部の方をよろしくお願いします】
文章を作り終え、何度も確認してから送信すると、すぐに既読がついた。
仕事を建前にしているが、同行されることが困るというのは伝わっただろうか。いや、課長は察しが悪いからわからないかもしれない。
さらにスマホがブルッと震え、返事が映し出される。
【時間帯がわかれば抜けてくることも可能ですので、仕事は問題ありません】
やっぱりわかってない……。
建前の理由ではなく、はっきりと言わなければ伝わらない予感がする。少し失礼かもしれないが、ここは突き放す文面を送ろう。
【すみません。ついてきて欲しくないんです。病院にはひとりで行かせてください】
これでどうだ!
送信を押した後、語気が強すぎたのではとすぐに後悔する。
「ひとりで行かせてください」はさすがに失礼だろう。「行きますね」とか「行きたいです」とか、ほかに言い方があったのに。
しかしすぐに既読がつき、訂正は不可能となる。
心臓がバクバクと波打ち、胃が痛くなってくる。