カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~
ゆっくりと外開きのドアを開けると緊張した様子の課長が立っており、目が合うと「星野さん、急にすみません」と会釈される。
スーツの彼の男らしいワックスの香りをふわりと感じ動揺しそうになるが、私は毅然とした態度で「いえ、どうぞ」と彼を玄関の中へ招き入れた。
「座っていてください」とソファを手で指し示し、自分はキッチンでティーカップを用意する。
お盆に紅茶を乗せて持って行くと、座っていいと言ったのに課長は黙り込んで部屋の真ん中に突っ立っていた。
「課長。わざわざ来ていただいてありがとうございます」
「……いえ、こちらこそいきなり」
「どうぞ座ってください」
私が膝をついてテーブルにお茶を並べ、座布団に座ろうとすると、課長に腕を掴まれた。
「……課長?」
「ソファに座ってください」
いえこっちでいいです、と首を横に振ろうとしたのだが、彼は強制力のある手と視線で私を離そうとしない。
どうしたのだろう。いつもの課長と少し違う。
意志を感じるというか……本気、という感じがする。