政略夫婦の授かり初夜~冷徹御曹司は妻を過保護に愛で倒す~
 午後から精力的に仕事を片づけていき、次の日も朝早くから会議に出席。次は昨日キャンセルとなった社長との昼の会食だ。

 それまでの空き時間に、ニューヨーク支社で用意してもらった個室で午後に訪れる関連会社の資料に目を通していると、ふと未来のことが頭をよぎりスマホを手に取る。

 何度も電話をかけようと思ったが、できなかった。声を聞いたら今すぐに会いたくなりそうだったから。

「未来は今、なにをしているだろうか」

 向こうは夜の二十時過ぎ頃。もう寝ている?

「会いたいな」

 未来のことを想うと漏れた本音に、苦笑いしてしまう。

 いつの間にか俺の中で未来はとても大きな存在となっていた。最初はこちらの条件を受け入れてくれるなら、誰でもいいと思っていたのにな。

 スマホをしまって仕事を再開しようとした時、着信音が鳴った。

 画面には、電話の相手は未来だと映し出されている。

 それを見てすぐさま電話を取った。

「もしもし」

 しかし言葉が返ってこない。

 嬉しくて咄嗟に出たが、そもそもどうして急に未来は電話をかけてきたのだろうか。
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