同期の御曹司様は浮気がお嫌い

「いや、そんな人中々いませんよ。優磨くんは色々買ってくれようとしますけど申し訳ないって思うのが普通です」

私の言葉に美麗さんは微笑む。美人に微笑まれて照れてしまう。

「優磨は幸せ者ねー、波瑠ちゃんに大事にされて」

「いえ……大事にされているのは私の方です……」

優磨くんには守られてばかり。

「そういう人とは離れちゃダメだよ。優磨には美麗のようになってほしくないの」

美麗さんは寂しそうな顔をする。

「波瑠ちゃん、城藤の家に生まれるとほとんどの人生決められてるの。進学先も就職先も結婚相手もね」

「え?」

「美麗はまあ……元々結婚相手はパパに決められてたんだ。でも色々と抵抗して好きな人を選んだんだ。まあ結局今も独身だけどねー。城藤はほぼ政略結婚」

優磨くんに聞かされていたから美麗さんのことは色々分かってきた。けれどその話を聞いて私は不安になってきた。

「あの……優磨くんにも結婚相手は決まった方がいるのでしょうか?」

そんな話を以前車の中で泉さんとしていた。あれ以来ずっと不安が付きまとっている。

「まあね。でも優磨はパパの決めた相手とは結婚しないよ。波瑠ちゃんが大好きだから。それに美麗の弟だしね。優磨も結構ワガママだから」

「そうだと嬉しいです……」

もしかして私が優磨くんの会社に来てほしくなかったのも、お父様に知られるとまずいと思っていたのも、全部縁談があるからなのではないだろうか。
そういえば何かを断ってほしいと電話で言っていたことがあった。あれはそのことかもしれない。
決まったお相手はきっと会社にとって重要な人物。何の利益のない私が優磨くんの恋人ではお父様はよく思わないだろう。

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