同期の御曹司様は浮気がお嫌い

「美麗がこんな意地悪なことを言うのは、優磨と付き合う上で波瑠ちゃんにも色々と気を遣わせちゃうことがあるから覚悟してって言いたいの」

「はい……」

「優磨は今大事なときなの。パパに会社に戻されたけど、優磨本人がすっごく仕事頑張ってるみたい。パパに認められたくて」

「仕事を頑張っているのは知っていますが、どうして今なんですか?」

元々優秀な優磨くんならお父様も自然と後継者にするだろうに。

「美麗と同じ。好きな人と一緒にいるため」

「え?」

「言ったでしょ。優磨はパパの決めた相手とは結婚しないよって。相手は自分で決めるって押し通したいんだよ。美麗みたく好きな人と結婚できないと死んでやる! なんて子供っぽいやり方は優磨はしない」

ニヤニヤしながらも強い言葉で言う美麗さんに返す言葉が出ない。
優磨くんは私のために会社で上の立場に行こうとしてくれている。疲れても、大変でも、私のことだけを考えてくれる。

「だから優磨のそばにいてほしい。特別なことは何もしなくていいの。波瑠ちゃんはいつも通りで」

「はい」

「優磨はねー、波瑠ちゃんのこと本当に本気で大好きだと思うよ」

「そう……ですか」

お姉さんからそんなことを言われると恥ずかしい。

「波瑠ちゃんのことで美麗にムキになって怒るなんて珍しいもん」

「そんなことあったんですか?」

「美麗が初めて波瑠ちゃんに会った日ね、あの時優磨は美麗のことを呼び捨てにして怒った」

そういえば美麗さんがマンションに入ろうとしたのを優磨くんが止めたとき「美麗!」と怒鳴ったっけ。いつもは「姉さん」と呼ぶのに、今思うと珍しかった。

< 104 / 162 >

この作品をシェア

pagetop