同期の御曹司様は浮気がお嫌い

「優磨はいつも美麗をお姉ちゃんとして立ててくれる。でも子供のころから本気で喧嘩すると呼び捨てになるんだよ」

「そうなんですね」

「後継者は優磨だからね。優磨はいつも美麗も守ってくれてるの。美麗こんな生き方だから城藤では浮いてるし。だから優磨が本気で怒ったときはやめるんだー」

あっけらかんと笑う美麗さんに私は苦笑する。

「優磨が美麗を思わず呼び捨てにするほど怒るってことは、それだけ波瑠ちゃんが大切なんだよ。だから、優磨の大事な人は美麗も大事なの」

美麗さんは私に笑顔を向ける。そこまで言われては顔が赤くなってくる。

「波瑠ちゃんも優磨が大事だもんねー」

私は照れながらこくりと頷いた。ワインに酔ってきたようだ。

「波瑠ちゃんって人を癒す力があるよね」

「そうですか? そんな超能力なんてありませんよ」

「美麗の汚い心が洗われていく気がする」

なんですかそれと笑う。そういえば同じことを何度か言われた気がする。

美麗さんはスマートフォンを取るとどこかに電話をかけ始める。

「もしもしー」

数秒待つとスピーカーになった電話の向こうから優磨くんの声が聞こえた。

「何だよ……今仕事中なんだけど……」

「今美麗どこにいると思う? 優磨のマンションでーす!」

「は!?」

「今波瑠ちゃんとご飯食べてるのー」

「何!? 何かの冗談?」

「波瑠ちゃんが優磨のこと大好きだって」

「ちょっと美麗さん!」

「え、本当にうちにいるの? 今の波瑠の声?」

「ごめんね優磨くん、仕事中なのに……」

「いや、いいんだけど……姉さん今すぐ帰れ! 波瑠が汚される」

「何それ酷い! 帰らないもん! 今夜はお泊りするんだから」

< 105 / 162 >

この作品をシェア

pagetop