同期の御曹司様は浮気がお嫌い

「は? だめだって! マジでかえ……」

美麗さんは言葉の途中で通話を切った。

「優磨、今絶対ブチ切れてるよ。美麗の名前呼び捨てにしまくりだね」

ケラケラと笑う横で私もおかしくなって笑ってしまう。美麗さんに近づくなと言われているけれど、今とても楽しい。
城藤の人は私とは全然環境が違って戸惑う。でも私はもっと知りたい。





私よりも先に美麗さんが酔ってソファーで寝てしまった。体を揺すって声をかけても起きそうにないので毛布をかけた。

片づけをしてから先にお風呂に入ることにした。
バスルームから出るとリビングで美麗さんの声が聞こえる。起きて誰かと電話で話しているようだ。

「……だからーあなたは誰だって聞いてんのー!」

美麗さん完全に酔っているな。まともに会話できるのかな?

「はい? お金ってなーにー? 波瑠ちゃんに何させる気?」

不穏な話に嫌な予感がした。

「美麗さん?」

声をかけても美麗さんは電話に集中しているようで私への返事はない。

「あのさー、シモダ? あんたこそ何様?」

今下田って言った!?
下田くんの名前に焦って服も着ないでリビングに行くと、美麗さんは何故か私のスマートフォンを耳に当て電話をしている。

「ちょっと美麗さん!!」

慌ててスマートフォンを奪うと「もしもし下田くん!?」と言うと既に通話は切れていた。

「んー……波瑠ちゃん……シモダって誰?」

美麗さんはソファーに横になりながら目を擦る。

「あ……えっと……知り合いです」

「お金のことで電話してくる知り合いなの?」

「…………」

どうしよう……うまい言い訳が思いつかない。

「美麗さんこそ、どうして私のスマホで電話してるんですか?」

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