同期の御曹司様は浮気がお嫌い
「このままじゃ優磨くんに知られて困らせちゃう……」
昨夜も美麗さんにバレそうで危なかったのだから。
「なら金を早く頼むよ。昔の波瑠は従順な良い子だったのにな。優磨がそう変えたの?」
「従順だったつもりはないよ」
「いや、波瑠は俺にいつも合わせてくれたじゃん」
下田くんはスッと立ち上がると私の隣に寄って座り直す。
「俺が望めばいつも一緒にいてくれたよね」
離れようとした瞬間に腕を掴まれた。
「ちょっと!」
怒鳴ろうと口を開くと下田くんに腕を引っ張られ強引に唇を奪われた。慌てて抵抗しても力では敵わずにソファーの背もたれに押さえつけられる。
「んー!!」
片手で胸を押し返すと名残惜しそうに唇が離れる。
「波瑠に手を出されたと知ったら優磨どんな顔するかな」
そう言うと首に強く吸いつかれた。
「痛い!! いやっ!!」
「まだ波瑠を愛してる。止まんない……」
怒りが全身を駆け巡り、全力で手を振り払って下田くんの肩を思い切り押すとすぐに距離を取った。
「警察に通報するよ! 今のことも、私を脅したことも!」
精一杯下田くんを睨んだ。
「できるもんならしろよ」
「っ……」
「俺を訴えるのも自由だよ。でも波瑠は優磨に迷惑かけたくないんじゃない? 俺とキスしたって知られてもいいの? クソ真面目な優磨はいい気分にはならないと思うよ」
「…………」
その通りな気がして何も言い返せない。
「嫌ならまた金をよろしく。百万には程遠いな。この分だと数年俺と会い続けなきゃいけないね」
下田くんは意地の悪い笑みを浮かべて腹立たしい。
私は震えながら無言でカラオケボックスを後にした。