同期の御曹司様は浮気がお嫌い
もう私では手に負えない。潔く警察に相談するか、優磨くんにすべてを打ち明けるしかない。またしても迷惑をかけてしまう。今度こそ呆れられてしまうかもしれないけれど……。
マンションに戻るとすぐに顔を洗う。下田くんにキスされた唇を痺れるほど強くこすった。自分がすごく汚い存在に思える。
鏡を見ると首に下田くんに付けられた赤い痣がはっきり見える。強く吸いつかれたせいだ。あれは確実に悪意を持っていた。お金で人はあそこまで変わってしまうのか。
「波瑠?」と廊下から優磨くんの声がした。
しまった……優磨くんが出張から帰ってくる時間になってしまったのか。まだご飯の準備を何もしていない。
「波瑠どこ? 洗面所にいるの?」
「今出る!」
暗い顔を無理矢理笑顔にしてドアを開けた。
「ただいま」
「おかえりなさい……」
「会いたかった」
優磨くんは私を抱きしめる。そうしてスリスリと頬を私の頭に擦りつける。まるで長期間会えていなかったかのような行動だ。
「姉さんが迷惑かけてごめんね」
「いいの、美麗さんとのご飯楽しかったよ。ごめんね、夕食は今用意するから」
「大丈夫。どこかに食べに行こうか?」
「うん……」
「その前に、会えて嬉しいから波瑠を堪能したい……」
耳元で囁かれ顔が赤くなる。私も、優磨くんが帰ってきてくれて嬉しい。
「あのね、優磨くんに大事な話があって……」
言わなければ。下田くんとの問題で頼るのは申し訳ないのだけれど。
優磨くんの唇が私の額に優しくキスをする。そのまま眉間に、瞼に、鼻にキスをする。
「もう、優磨くん聞いて……」
「ごめん、聞いてるよ」