同期の御曹司様は浮気がお嫌い
「聞いてる? また昨日の訳分かんねー女が出たんじゃないだろうな? もう家に着いた? そばに優磨いる? なあ、俺とキスした後に優磨ともキスできんの? 首のが消えるまでヤれねーな」
鳥肌が立った。下田くんがそんなことを言ったら増々勘違いされる。
優磨くんは静かに通話を切った。
「下田と別れてなかったんだ」
「別れたよ! でも……」
「俺に隠れて会ってたんでしょ?」
「理由があって……」
「下田とヤったんだね」
「違う!」
「嘘つかなくてもいいって。キスマークつけておいて説得力ないよ」
優磨くんは私に口を挟む隙を与えてくれない。
胸が苦しい。息がしづらい。
「波瑠」
冷たい声で名を呼ばれた。
「いつ下田とよりが戻ったの?」
「違う! 戻ってない!」
優磨くんは「嘘だ」と苦しそうに呟いた。
「まだ下田が好きなんだ? だからさっきも俺のキスを拒否したの?」
「私が好きなのは優磨くんだから! 嘘なんかじゃない!」
裏切るわけがない。不貞行為が嫌いな優磨くんが傷つくことをしたりしない。
「ちがうの……説明するから……聞いて……」
涙がポロポロと零れ落ちる。
「俺のいない間にいつも下田と会ってたの? 波瑠に夢中な俺を二人でバカにしてた?」
「ちがっ……聞い、てっ」
息ができない。言わなきゃいけないのに。ちゃんと優磨くんに助けを求めたい。
「俺が浮気を許さないって知っててこれ?」
「うっ……ちが……」
「ボロボロになった慶太さんを見てきたけど、今心から気持ちが分かった。最低な気分だよ」
「ごめ……ごめんなさいっ……」
不安にさせてごめんなさい。傷つけてごめんなさい。
「波瑠はいつも俺に謝る……本当に悪いと思うことをしてるんだ?」