同期の御曹司様は浮気がお嫌い
一緒に企画を進めているときも飲み会でも、優磨くんはあまり自分のことを話さないし私にも深く関わってこようとしなかった。
「俺は自分が城藤の人間だって意識されたくなかった。金が目当てで接してくるやつが多かったし。だからいつも人と距離を置くんだ」
確かに優磨くんは家の話をすることを嫌っていた。
「でも波瑠はそんなの関係ないって態度で、普通に話しかけてくれたでしょ。みんな俺にはどこか遠慮してるのに」
「だって……優磨くんは優磨くんだし」
ふっ、と優磨くんが笑う吐息が耳にかかる。
「それが俺にとっては大きいことなんだよ。波瑠は俺の特別だ」
私の頭に優磨くんの顔がくっつく。愛おしいとでも言うようにスリスリと頬を押し付ける。
「下田と付き合ってるって知って、悔しいけど波瑠が幸せそうならよかったんだ。でも、この先俺が一番波瑠を大事にできるよ」
「私は優磨くんには釣り合わないよ……」
「俺はそうは思わない」
きっぱりと言い切る言葉に目頭が熱くなる。
「波瑠と居ると俺は強くなれるんだよ。波瑠のように綺麗な心でいなきゃって思うんだ」
「私、心が綺麗なんかじゃないよ……怒るし、嫉妬もする……優磨くんの元カノを見て苦しい……」
「嬉しい」
耳にキスをされた。心臓がぎゅっと締め付けられたように苦しい。
「手を出さないように必死なのに、波瑠があまりにも無防備に俺のそばにいるから……波瑠にとって俺は眼中にないのかと思ってた」
「だって……優磨くんに甘えちゃダメだから……私は意識しないようにしてた……」
「ならもう意識して。波瑠の全部を俺に向けて」
再び耳元で「好きだよ」と囁かれる。その甘い声にまるで体の感覚が耳だけにしかなくなってしまったように痺れてくる。