同期の御曹司様は浮気がお嫌い
「そうなんだ……」
「ちなみにあのベッドで寝かせたこともないよ。姉さんはいつも書斎で寝てるから」
ああ、よかった……。
そう思ったら視界が霞む。目から涙が溢れる。
「波瑠?」
「お姉さん……そっかぁ……」
「やっぱ妬いてた?」
優磨くんの腕の中で小さく頷く。
安心した。優磨くんの元カノがあんな綺麗な人だったら勝てないじゃんって思ってしまったから。
「波瑠」
切ない声で名を呼ばれる。
「頼むから俺を好きって言って」
真っ直ぐ気持ちをぶつけてくれたこの人にもう言ってもいいよね、自分の正直な気持ちを。
「優磨くん……好き……」
そう言った瞬間優磨くんの唇が重なる。それは昨夜のキスと同じ、優しく触れて軽く噛んでゆっくりと舌が口の中に入ってくる。
「波瑠、おかえり。俺のとこに戻ってきてくれてありがとう」
「うん……ただいま。これからも優磨くんのところに戻ってきてもいい?」
「大歓迎……」
優磨くんは照れて私の肩に顔をうずめる。
この優しい人がいる限り、私の居場所はこの人のそば。そう思ってもいいよね。
「波瑠……お腹すいた……」
「朝ごはん食べてないの?」
「食べたけど、姉さんが来たからカロリー消費した。何か作って……」
「はいはい」
笑いながら返事をすると優磨くんは私の手を取りマンションの中に引っ張っていく。
それが今では嬉しくて、私は手を握り返す。部屋に戻るまでその手はずっと握られたままだった。
「あの……優磨くん?」
「なあに?」
「いい加減離れてほしいんだけど……」
背後に立つ彼の腕は私の腰に回り、後ろから抱きしめる格好になっている。料理を作っているときも片づけるときも、今もこうして洗濯物を干していても纏わりついて離れない。