同期の御曹司様は浮気がお嫌い
「やっと遠慮なく触れられるようになったから」
そう言ってまた耳の後ろにキスをする。
「もう……暇なら手伝って」
私は優磨くんのパンツを肩の後ろに軽く放る。
「はい……わかりました……」
渋々優磨くんが離れて横に来ると洗濯バサミにパンツを挟む。
「今から干して乾くの?」
「ここの部屋高いから今日みたいな天気が良くて風がある日はすぐなんだよ」
地上ではそよ風でもこの部屋は高い位置にあるから風が強く感じることもある。洗濯物がよく乾いていいのだけれど、天気の悪い日は音がすごくて少々心配になる。
「へー、知らなかった」
何でも乾燥機にかけていた優磨くんは窓も滅多に開けないのだという。こんな部屋に住んでいるのにもったいないとつくづく思う。
「あとは? 何かやるの?」
「もう一通り終わったよ。掃除機はかけたいけど」
「じゃあそれは明日に回して今から出かけよう」
「え?」
「デートしよう」
優磨くんが微笑む。デートという言葉に顔が赤くなる。
「え……いいよ、着ていく服もないし……」
「それを買いに行くの」
「え?」
「波瑠って服全然ないじゃん。今から買いに行こうよ」
確かに会社に来ていく服を残して私服はフリマアプリで売ってしまった。それほどお金に困っていた時期があったのだ。
これまで服が少ないことに不便は感じなかったけれど、優磨くんには信じられないことらしい。
「ほら、支度して」
ほとんど強引に促されて優磨くんの車に乗せられる。
機嫌良さそうに運転する優磨くんとは反対に私は憂鬱な気分になる。優磨くんがデートだと思ってくれるのは嬉しいけれど新しく服を買うお金もないし、今は必要性を感じない。