同期の御曹司様は浮気がお嫌い
「波瑠、こっち向いて。とっても可愛いよ」
「お世辞はいいって……」
「お世辞じゃないよ。似合ってる。いつも可愛いけど特別可愛い」
何度も可愛いと言われたら困ってしまう。そんなこと言われたことがないのに。
「あの……なれたかな?」
「ん?」
「今の格好なら優磨くんに相応しくなれたかな?」
目を丸くした優磨くんは笑って私を抱きしめる。
「相応しいなんてもんじゃないよ。俺にはもったいないくらい可愛い……」
「ありがと……」
消え入りそうな声でも優磨くんにはしっかり聞こえたようで、頬にキスをされる。
「今すぐしたい……」
「え?」
何を、と聞き返そうとすると優磨くんの手が背中から腰、そしてその下へと滑る。
「だめっ……だめだって!」
慌てて優磨くんの肩を押す。
「もう帰ろう……」
「帰ったら続きを、ってこと?」
「そうじゃなくて!」
顔を真っ赤にするとキスで口を塞がれる。
「んー……」
声を出しても舌を絡ませられて言葉にならない。ぎゅうっと肩を押し返してやっと唇が離れる。
「帰ろうよ……」
もう一度言うとやっと車に乗ってくれる。
マンションに戻る頃には空は暗くなりかけている。
紙袋を二人で両手いっぱいに持ち、書斎の向かいの部屋に置くと室内が狭く感じるほどになる。
「さて、ご飯にしようか。何食べる? 冷蔵庫見て優磨くんが食べたい……」
言いかけて体が優磨くんの腕に包まれる。驚く暇もなく体を持ち上げられた。
「優磨くん!?」
膝の裏と背中を抱えられてお姫様抱っこされている。
「ちょっと!」
見上げた優磨くんは微笑んでいる。
「続き、するんでしょ?」
「違うって!」