同期の御曹司様は浮気がお嫌い
「ねえ、ハルちゃん、連絡先教えてよ」
「ああ、はい……」
私は美麗さんとLINEを登録し合う。
「へー、名前こういう字を書くんだ。季節の春じゃないんだね」
美麗さんは私の名の漢字に興味を持ったようだ。
「あの……お姉さんは……」
「美麗でいいよ」
「はい。美麗さんはよく優磨くんのマンションに来るんですか?」
「月に何回かかな。まともに相手してくれるの優磨しかいないし」
不思議な人だなと思う。こんなに綺麗なのに優磨くんしか相手にしないなんてことあるのだろうか。私より年上なのに、美麗さんは年齢を感じさせない。
「優磨に会いに行くというよりはあの部屋に行きたいからかな」
「え?」
それはどういう意味だろうかと美麗さんを見るけれど、それ以上何も言う気はないようだ。気のせいかバックミラーで泉さんが美麗さんを見ているような気がした。
しばらく走って優磨くんの会社の駐車場で降ろされた。
「正面玄関を入って受付で優磨さんを呼んでもらってください」
「はい……泉さんが届けなくていいんでしょうか?」
「私は無理やり来てしまった美麗さんを自宅までお送りしないといけません。申し訳ございませんがお願い致します」
「はい……」
「それと、優磨さんに謝罪を」
「え?」
「美麗さんに強引に連れてこられたからで、私が波瑠様を連れてきたわけじゃないとお伝えいただけると助かります」
「はい。わかりました」
思わず笑みが漏れる。泉さんはお父様の秘書だけど優磨くんに怒られるのも恐れているのか。
「美麗は優磨を大事に思ってるからこそ波瑠ちゃんを連れてきたの!」
車内で怒る美麗さんに泉さんは溜め息をつく。