同期の御曹司様は浮気がお嫌い
慶太さんと呼ばれたこの方がご友人なのだろう。三十代前半といったところだろうか。銀フレームの眼鏡をかけた長身のイケメンだ。優磨くんの横に並ぶと二人は絵になるほどかっこいい。
「この度は新店舗オープンおめでとうございます」
「わざわざありがとう。花も贈ってくれて悪いね」
店の前を見ると開店祝いの生花がずらりと並ぶ中の一つに優磨くんの名前を見つけた。
胡蝶蘭につけられた札に『株式会社城藤不動産 城藤優磨』と刻印されている。その他にも名のある会社が花を贈呈しているようだ。
「優磨、こちらはもしかして?」
慶太さんは後ろに控えた私に視線を向ける。
「俺の恋人の波瑠です」
私は優磨くんの横に並んで「安西波瑠と申します」と頭を下げた。
「あの部屋で今一緒に住んでます」
優磨くんの言葉に慶太さんは微笑んだ。
「そう……あそこは十分すぎるほど広いしね」
優磨くんとはタイプが違うけれど慶太さんも笑うと色気がある。
「置きっぱなしにしてる本、そのうち取りに行くよ」
「いつでもいいですよ。そのまま置いといてもいいですし」
「もうあそこは優磨の家なんだから。波瑠さんと住んでるなら余計なものは残さないよ」
慶太さんは嬉しそうに笑っている。
「せっかく優磨の会社とコーヒー豆の契約をしたのに転職したんだって?」
「はい。父の会社に移りました」
「そう……優磨もついに城藤で上に行くのか」
「まあそんな感じです」
優磨くんは複雑な顔をする。
「今日美紗さんは?」
「今は未来を連れてどっかに行ってるよ。あの子ももう色々と動きが活発になってきたからね」
「早く会いたいです」