同期の御曹司様は浮気がお嫌い
「前に美麗さん本人もそんなこと言ってたよ」
「そう……」
優磨くんは何やら考え込んでしまった。
美麗さんがどことなく寂しそうな理由が少し分かった気がした。結婚を考えた慶太さんの存在を今も少しでも感じたくて、優磨くんに会うのを口実にあの部屋に来てしまうのではないのだろうか……。
「美紗さんと優磨くんも仲がいいんだね。美麗さん繋がりで?」
「そういうわけじゃないんだけど、美紗さんも俺にとっては姉みたいなものかな。出会ったころから俺のこと城藤の御曹司って目では見なかったから気楽に付き合えた」
『付き合えた』の言葉が引っ掛かった。
「あの……美紗さんと優磨くんは……その……」
言葉の先が言えない。もし美紗さんと優磨くんが過去に恋愛関係だったのなら嫌な気持ちになる。
「波瑠が心配するような関係じゃないから大丈夫。俺美紗さんに振られてるし」
「え?」
それって優磨くんは恋愛感情があったということじゃないか。
「美紗さんを好きになった時期もあるけど、あれは年上の女性に対する憧れもあったよ。美紗さんは俺と出会う前からずっと慶太さんを好きだったし。二人が幸せになってほしいって願う気持ちの方が強かった」
優磨くんは私が不安に思っていることなんて関係ないとでも言う様に美紗さんへの気持ちをさらりと告白する。
暗い顔になる私を横目で見ると「こんなに好きになったのは波瑠だけだよ」と言う。
「波瑠が気にしちゃうことを敢えて言ったのは、もう過去のことだから。美紗さんと気楽に付き合えたってのは、友人としてね。言ったでしょ、俺が絶対に守ると決めて大事にしたい人は波瑠だって」
「うん……」
「波瑠と出会ってから、俺は波瑠のことしか考えてないよ」