副社長が私を抱く理由~愛と殺意の先に~


「これ、今日の着替えだ」
 奥の部屋から宇宙が持ってきたのは、ブルー系の優しい感じのスーツとピンクの可愛いデザインのブラウス。
 スーツはスカートで、タイトではなくフレアスカートになっている。
「私がそれ…着るのですか? 」
 キョンとした顔で尋ねた涼花。
「ん? 俺が着るように見えるか? まぁ、着てもいいけど。俺が着ると、そこいらの女性が歩けなくなるからな」

 はぁ…。
 何となく想像してしまった涼花。
 宇宙が着たら…スカートが超ミニになりそうだ。

「これは、取引先のブランドショップからもらったものだ。きっと、アンタに似合うと思うから着てみろ」

 スーツとブラウスを渡され、涼花ちょっと戸惑った。

 今までスラックスしか履いていない涼花。
 スカート丈は短そうで涼花が履くとミニスカートになりそうで…。

 でも昨日の服は洗いに出しているから着るものがないし…。

 仕方なく涼花は宇宙が渡したスーツとブラウスを着る事にした。



 
 着替えを済ませた涼花。

 いつもの色合いより、明るい色の方が涼花には似合っているように見える。
 なんだか優しい感じがする。

 スカートが膝上10cmほどになってしまい、ちょっと気にしているようだ。


「ふーん。やっぱり、アンタにはそう言った明るい色が似あうな。それに、スカートの方が似合ってるじゃん。あ、そうだ」

 リビングの棚から、宇宙は女性もののストッキングを取り出した。

「これも、取引先からのもらいもん。さすがに生足じゃ、刺激的すぎるから使えよ」

 確かに…素足じゃ落ち着かない。
 涼花は素直に渡されたストッキングを使うことにした。





 出勤時間になり。

 玄関に来ると、宇宙はげた箱から新しい靴を取り出して涼花の前に揃えて出した。

 白いシンプルなハイヒール。
 かかとが7cmほど高いヒール。


「これ履けよ。これも、取引先の業者がくれたものだから」

 ヒールを見て涼花は戸惑った顔をした。

 こんな高いヒール履けない。
 よけい背が高くなって、驚かれてしまう…。

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