副社長が私を抱く理由~愛と殺意の先に~
ノックをして涼花が入ってゆくと。
仕事をしていた宇宙が手を止め、じっと涼花を見つめた。
「これ、社長から頼まれた書類です」
「ありがとう」
書類を受け取り籠に入れた宇宙。
「それでは、失礼します」
「あ、ちょっと待って」
去ってゆく涼花を呼び止めあた宇宙。
スタスタと歩み寄ってきた宇宙は、グイッと涼花を引き寄せた。
「ちょっと、充電させてよ」
え? と涼花が思った瞬間。
宇宙の唇が重なった。
スルっと宇宙が入ってきて、涼花の口の中を犯してしまう…。
激しいような軽いような。
そんなキスをされた涼花。
唇が離れると、宇宙はニコっと笑った。
「OK! 受電完了。これで嫌な会議も、乗り越えられる」
会社でこんな事して…。
社長に見られたらどうする気?
そう思った涼花だが、ニコっと笑う宇宙が何だか子供のように可愛く見えて怒る気もうせてしまった。
「失礼しました」
そのまま副社長室を出て行った涼花。
「やっぱり…愛している人の唇って最高! 」
上機嫌でデスクに戻り仕事を続ける宇宙。
社長室に戻ってきた涼花。
「あ、すまなかったね届けてもらって」
「いいえ…」
そのままデスクに戻る涼花を、空斗がじっと見ている。
見られている事に気づかないまま、涼花はデスクに戻ると仕事の続きを始めた。
空斗はちょっと驚いたような目で涼花を見ていた。
そのまま仕事を始めた涼花。
少し迷ったような目をした空斗だったが。
「北里さん」
「はい」
呼ばれて顔を上げた涼花。
「…口紅がずれているよ」
ニコっと笑って空斗が言った。
ハッと驚き、涼花は鞄から小さな鏡を取り出して顔を見た。
思いきり口紅がずれているをの確認すると、慌ててティッシュでふき取った涼花。
空斗は小さく笑った。
ふと、籠の中を見ると書類が一枚残っていた。
手に取った空斗は、それは宇宙へ渡す書類であることを確認した。
「ちょと席を外すから、電話が入ったら折り返すと伝えてね」
「は、はい分かりました」
ちょと慌てた顔をして、涼花は仕事の続きを始めた。