副社長が私を抱く理由~愛と殺意の先に~


 風香が出てくると。車から運転手が降りてきて
「お帰りなさいませ、お嬢様」
 と言って出迎えてくれて、後部座席のドアを開けてくれた。
 そのまま乗り込んだ風香を見ていて、周りの社員は驚くばかりで。

 後に、風香の親戚には銀行頭取がいて某財閥だと知らされた。


 日頃は飾る事もなく、地味な風香。
 しかしよく見ると、持っているバッグは高級ブランドで時計も靴もブランドものばかりだった。



 そんな風香に宇宙は惹かれて行った。
 しかし近づこうとすると、風香は距離を置いて逃げてしまう。

 それでも追いかけた宇宙。

 なんど交際を申し込んでも断られ、ご飯に誘ってもお茶に誘っても全部断られる。だが宇宙は諦めることが出来なかった。
 どうしても諦める事が出来ない宇宙は、風香の家を突き止めて風香の両親に会うことにした。

 風香の家は開業医で、父は医師で母は看護師で地域密着型の病院で時間外でも緊急患者を受け入れていた。

 風香が仕事をしている間に病院を訪ね、両親に会った宇宙。
 風香の父・風紀(ふうき)と母・香(かおり)は、とても気さくな人で宇宙が突然訪ねてきてもとても穏やかに接してくれた。

 宇宙がどうしても風香と交際して結婚したい思いを話すと、風紀も香も風香に結婚して幸せになってほしいと強く願っていると話してくれた。
 風香は恋愛も結婚もしないと決めてしまい、風紀と香を支えて生きていると言っているようだ。

 意志のかたい風香を動かすにはどうしたら良いのか。
 それを考えたとき、宇宙はある事を思いついた。

 
 開業医である風香の家に宇宙は10憶円寄付をして、その代わりに風香を嫁にもらうという条件を考えついた。

 その提案に風紀も香も大賛成してくれた。
 ちょうど新しい医療機器を購入しようと考えていて、病院もそろそろ立て直す時期だと検討していた事から10憶のお金が入ってくるととても助かるとの事で。取引は成立した。

 だが風香はまともに話しても、絶対に拒否する事は判っていた。
 ちょっと強引だが、宇宙は風香を寝ている間に連れて行くことを思いついた。
 
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