副社長が私を抱く理由~愛と殺意の先に~

 それからしばらくの間、涼花は秀臣の傍で過ごすことにした。
 名前を元に戻す事もあり、手続きに色々と日数がかかりそうで、行き来するよりしばらくは秀臣の傍にいた方が楽だと思われた。


 宇宙からは毎日電話があり、他愛ない話をする日々が続いた。
 仕事もしばらく休みにしている涼花に、仕事であった他愛ない話をしたり、お昼に何を食べたかの話をしたりと、どうでもいい話でもとても楽しくて。

 宇宙は前よりもずっと涼花の事が好きになって行った。

 
 女子社員3名の死者が出て、宗田ホールディングにも警察が聞き込みに来たり、チラホラとマスコミ関係者がやってきたりと大変だったが日にちが過ぎると次第に落ち着きを取り戻していった。

 
 後に。
 重乃の点滴から、一緒に服用してはいけない薬が混ざっていたことが発見された。
 そして有香の体内からは、精神科で使われる安定剤のような薬が検出された。
 安定剤は、決められた量を服用する分には問題はないが、多量摂取したり他の薬と混ぜて飲んでしまうと幻覚を見たり気分がハイになり異常行動を起こすようにもなる場合がある。

 精神科に通っていた美也は、その事に詳しかったようでそれを利用したようだ。

 美也が持っていた携帯電話に、郷からのメールの履歴が残っており「美也さんの事を、全ての犯人に仕立て上げようと。重乃さんと有香さんが、企んでいたよ。重乃さんを階段から突き落としたのは、美也さん一人が計画したことにすると話しているのを偶然聞いてしまったんだ。これって、本当かな? 」 と、ちょっと挑発をかけるような郷からのメール。
 しかし精神が病んでいた美也には、重乃と有香は自分を陥れようとしていると解釈された。

 その為、重乃と有香を殺してしまおうと、病院に潜り込んで美也は2人に薬を混ぜて殺害したようだ。
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