副社長が私を抱く理由~愛と殺意の先に~
美也が死亡してしまった今では、真実は闇に消え、挑発をかけるメールを送った郷も死んでいしまた事から本当の真実はもう誰にも分からない状態になってしまった。
涼花(風香)を本当に殺害しようとした動機も、不明になり推測の結論しか今では出せない状態になった。
それでも。
どこか穏やかになっている今である。
月日が過ぎ暑い夏がやって来た。
あれから涼花は名前を戻して、現在は宗田風香として過ごしている。
現在妊娠六ヶ月目に入った風香。
八ヶ月までは仕事を続けたいと風香が希望した為、現在も社長秘書と副社長秘書を兼務している。
まだお腹は目立っていないが、ちょっとふっくらしてきた風香を見て「もしかして、おめでたですか? 」と聞いてくる女子社員もいるが、ちょっと笑ってごまかしている風香。
会社ではまだ「北里涼花」のまま通している。
名前を変えれば色々聞かれて面倒であり、説明するにも複雑で、話が長くなることが嫌だと思われ。
あと2ヶ月で退職する事もあり、退職までは変わらず「北里涼花」のままでいようと決めたのだ。
風香の妊娠を機会に、空斗は一緒に暮らしてほしいと願いでたが宇宙が購入したレジデンスで子育てをしたいと願い出た。
いつの間に、こんな高級レジデンスを購入したのかと空斗は驚くばかりだった。
実家の広い家は、妹の輝歩(きほ)に継がせればいいと宇宙は言った。
現在、宇宙の妹の輝歩はアメリカで国際弁護士として働いているが、結婚したら日本に戻って来る約束をしている。
どんな人と結婚するのかは、まだ判らないが、日本に帰ってきて生まれ育って家に戻る事は悪くはないだろうと話していた。
重乃と有香と美也の事で、騒然としていた宗田ホールディングもすっかり落ち着きを取り戻した。
郷が自殺のように亡くなったことで、営業部はかなりショックを受けていたが今では元の活気を取り戻している。