副社長が私を抱く理由~愛と殺意の先に~

「覚えているか? こうして、真夏の時期にドライブした事あったの」

 真夏のドライブ…。

 ギラギラと輝く太陽を見て、風香は5年前を思い出した。


 夏季休暇の宇宙は、風香と一緒に出掛けたいと言い出したが、風香は嫌だと言って出掛けようとしなかった。

 買い物ならいい? と宇宙が聞くと、それならいいと言った風香を車の乗せて連れ出した宇宙は、そのままちょっと遠い海までドライブに向かった。


 風香は海に着いても、車から降りようとしなくてずっと俯いていた。
 
 そんな風香に付き合って、宇宙も車の中で一緒にいて他愛ない話しをしていた。

 着いたのが夕方だった為、すっかり日が沈んで夜になると海岸で花火が上がった。
 綺麗な花火を見ると、風香はちょっとだけ顔を上げて笑みを浮かべて喜んでいた。


 そんな風香をギュッと抱きしめて、宇宙はそっとキスをした。

 突然キスをされ驚いた風香だったが、宇宙の優しい唇に抵抗する力も弱くなり素直に身を任せていた。

 結婚して初めてのキスだった…。




 風香は思い出した5年前の事に、ちょっとだけ赤くなっていた。


「思い出してくれたか? 初めてキスした時の事」
「は…はい」

 車を走らせていた宇宙が、そっと路肩に車を止めた。


「ねぇ…。あの時と同じ事してもいい? 」
「え? 」

 風香の肩に手をまわし、そっと顎をとった宇宙。

「最近、ずっと何もしてなかったから。俺、すげぇ欲求不満なんだけど」

 顔を近づけて、ちょっと怒った顔を見せた宇宙。

 困った顔をした風香…。

「嘘だよ。でもキスくらい、いいだろう? 」

 困った顔のまま風香はそっと頷いた。
 いい子だと、そっと風香の頭を撫でた宇宙は、ゆっくりと風香の唇にキスをした。


 久しぶりに触れた風香の唇は、プルプルのゼリーのように柔らかく、吸い付くたびにキュッとしまって気持ちよかった。
 口の中に入ると、とろけるように柔らかくていっぱい犯したくなるくらいで…。
 キスをしているだけで胸がいっぱいになるのを宇宙は感じた。
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