エチュード〜さよなら、青い鳥〜
音の粒が一つ一つ際立ち、ミスがない。テンポも速くて、この10-4に関しては初音の技術が光る。
10-3で物足りなさを感じていた涼も、こちらは感嘆の息をもらさずにいられない。


ーー初音は、やはり、こうでなくちゃ。


革命のエチュードから一気に弾ききって、やっと初音はピアノから立ち上がった。惜しみない大きな拍手のなか、深々と頭を下げ、舞台から去って行った。


舞台から初音の姿がなくなっても、拍手は止まない。


再び、初音がマーシャと共に舞台に現れる。初音はマーシャをピアノまでエスコートすると、自分は笑顔で観客に頭を下げて、舞台から消えた。



ここからは、マーシャの演奏が再び始まる。
若い初音には出せない、胸にしみるような深い音に、観客は酔いしれた。









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