エチュード〜さよなら、青い鳥〜
「そう…わかった。もう少しドイツで勉強しようかと思ってたけど、マーシャと共演することもできたし、もういいよ。次は、涼が夢を叶える番だね。応援する」
たぶん、これは涼の望むセリフじゃない。わかっていても、初音が言えるのはこれくらいしか見つからない。
「君は、妻としてではなく、ピアニストとして生きるべき人だ。どうか、これからも最高の音楽を届けてくれ。
言ったろ、俺は、丹下の力なしで一人で夢を追いかける。君も、俺のことは忘れてくれ」
キンと、耳鳴りがした。
ーー今、涼は、何て言った?
初音は、目を見開いたままじっと涼を見つめた。
彼は青ざめた表情で、やはり初音をじっと見ている。思いつきで言っているとは思えない。
「今日のマーシャ・アルジェリーナとの連弾は本当に素晴らしかった。二つの才能が共鳴しあい、最高の音楽だったよ。
時間つなぎのエチュードも、10-3以外は良かった。感動したよ」
「…10-3は、ダメだった?」
「感動とは程遠い。なんというか、今の君には出せない音なんだろうな。物足りないというか、まぁ、ハッキリいえば、下手。その程度で、あの大舞台でよく弾いたな。聞くに堪えない演奏だった」
たぶん、これは涼の望むセリフじゃない。わかっていても、初音が言えるのはこれくらいしか見つからない。
「君は、妻としてではなく、ピアニストとして生きるべき人だ。どうか、これからも最高の音楽を届けてくれ。
言ったろ、俺は、丹下の力なしで一人で夢を追いかける。君も、俺のことは忘れてくれ」
キンと、耳鳴りがした。
ーー今、涼は、何て言った?
初音は、目を見開いたままじっと涼を見つめた。
彼は青ざめた表情で、やはり初音をじっと見ている。思いつきで言っているとは思えない。
「今日のマーシャ・アルジェリーナとの連弾は本当に素晴らしかった。二つの才能が共鳴しあい、最高の音楽だったよ。
時間つなぎのエチュードも、10-3以外は良かった。感動したよ」
「…10-3は、ダメだった?」
「感動とは程遠い。なんというか、今の君には出せない音なんだろうな。物足りないというか、まぁ、ハッキリいえば、下手。その程度で、あの大舞台でよく弾いたな。聞くに堪えない演奏だった」