癒しの君と炎の王~炎の王は癒しの娘を溺愛中~
地下に案内されると、扉の鉄格子から、ソフィアの姿が見えた。

「ソフィア!」

ロエルが叫んだ。

その声を聞いて、ソフィアが扉に駆け寄った。窓枠の鉄格子からソフィアが、

「ロエル!ニックも!どうしてここに。」

と言った。

すると、ロエルの後ろから、バスク王子が、

「ロズウェル王、あなたがこの中に入れば、この癒し二人を出してやろう。簡単なことだろう?」

と、言った。すると、リンデルが、

「なるほどね。見つけられなかったはずだわ。この部屋は魔抑石で囲まれている。」

と言った。

「魔抑石?」

と、ロエルが聞き返した。

「そう。魔力を抑える石のことよ。この部屋の中では魔力を抑えられてしまう。」

と、リンデルが言った。

「さすがお姉様!気がつくのが早いわね!」

ベルデが楽しそうに言った。

「馬鹿馬鹿しい!ロエル、そんな条件をのむことはない。」

と、ニックが言ったが、バスク王子が、再び、

「さぁ、ロズウェル王、どうする?」

と聞いた。


「条件を飲もう。約束は、必ず守ってくれ。」

とロエルが言うと、

「もちろん!」

と、バスク王子は、満足げに答えた。

鉄格子の扉が開けられ、ロエルが中に入ると、ソフィアを抱きしめた。

「どうして…ロエル」

「俺の事は心配しなくていい。ソフィアが無事でよかった。」

その横で衛兵が、ベンじいさんの足枷の鍵を外した。そして、その足枷を今度はロエルに、ガチャリとはめた。

「さ、行って。」

と、ロエルはソフィアとベンじいさんに言った。

「ロエル…」

ソフィアは目に涙を溜ながら、後ろ髪を引かれる思いで部屋を出た。そして、ガチャンと大きな音を立て扉が閉められた。

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