癒しの君と炎の王~炎の王は癒しの娘を溺愛中~
城内の長い廊下の先の出口付近には衛兵が立っており、さらに、城内を出るまでに多くの衛兵が立っていた。王城とあって、衛兵の数は多く、ソフィアはその前を通る度に、ロエルと腕を組んで歩いている自分が恥ずかしくなった。

「あ、あの…ロエル様?」

「ロエルでいい。」

ロエルはソフィアに合わせて、ゆっくりと歩いていく。

「あの…。」

「歩く速さはこれぐらいでいいか?」

「はい。いや、これは…」

「庭園の花が綺麗なんだ。ソフィアに見せたい。」

「あの、ロエル様にこんなことをしていただけるような身分ではないのでっ。」

と言うと、ロエルの歩きがピタリと止まった。

「肩書きはどうでもいいって言ったはずだ。ロエルでいい。」

先程の優しい声とは打って変わって、少しきつい口調にロエルを怒らせてしまったと焦るソフィア。ソフィアは俯きながら歩く。
それから、二人とも無言で庭園まで歩いて行った。ただでさえゆっくり歩いているので、庭園までがとても長い時間に感じた。
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