癒しの君と炎の王~炎の王は癒しの娘を溺愛中~
「これがロエルが言ってた花屋ね!すごいわ!見たことのない花がたくさん!」

「とりあえず一回りして、欲しいものがあれば後で買って帰ろう。」

「いらないわ。見るだけでもとても楽しいから!」

と、ソフィアが笑顔で答えた。ロエルはその笑顔につられて微笑んだ。

ソフィアは初めての市場に、まるで子供のように浮かれ、好奇心の赴くまま、露店を見て回った。

いつの間にかロエルと手を繋いでいたことも恥ずかしくなくなり、子供が親の手を引っ張っるように、ソフィアはロエルの手を引っ張り、

「ねぇ!次はあっちのお店!」

といつの間にかロエルを引きずり回していた。

「ソフィア、そろそろ昼にしないか?」

「えっ?もうそんな時間?」

「ああ、そこに座って待っていてくれ。」

と、ロエルは、屋外の食事スペースの空いているテーブルと椅子を指さした。

「分かったわ。」

ソフィアはロエルの言葉に従い、ちょこんと椅子に座った。その様子を確認すると、ロエルは屋台に、街のランチの定番の、棒肉とパンとスープを買いに行った。

ソフィアは手持ち無沙汰で、キョロキョロと辺りを見渡していると、陽気な音楽が聞こえてきた。

食事スペースに座っていた人達もその音につられ、音のする方に歩いて行く者もいた。
ロエルに待つように言われたが、今日のソフィアにそんな辛抱強さはなく、ソフィアもつられて音のする方に歩いて行った。
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