癒しの君と炎の王~炎の王は癒しの娘を溺愛中~
ロエルは木のプレートをソフィアの前に押し出して、

「早く食べろ。」

と、ぶっきらぼうに言った。ソフィアはそんなロエルが少しかわいく見えた。

「いただきます。」

と言って、ソフィアは木のカップに入ったスープを手に取ると

「ちょっと待て。」

と、ロエルからストップがかかった。ロエルは周りを確認してから、

「そのままじっとして。」

そう言うと、ロエルはスープカップの上に手をかざした。

ソフィアが不思議に思っていると、一瞬で木のカップが温かくなり、冷めていたはずのスープから湯気が立っていた。

「えっ?!」

ソフィアは驚いて大きい声が出た。

「静かに。バレると困る。」

と、ロエルは言うと周りをキョロキョロと見渡し、魔力を使ったのを見られていないか確認した。他のテーブルにいる連中は自分たちの話に夢中になっている者や、食べるのに必死な者ばかりで、大丈夫だった。

ソフィアがそっとスープをすすると、

「温かいわ!それにとっても美味しい!」

「良かった。」

「ねぇ、ロエルも飲んでみて!」

ソフィアはロエルにスープを差し出した。

ロエルはびっくりしながらも渡されるまま一口スープを飲んだ。

「うん、うまい!」

「でしょ。」

ソフィアは微笑むとパンを手に取り、半分にちぎった。そして、その半分をロエルに渡した。

「はい、ロエルの分ね。」

ロエルは面食らった。お城ではすべて自分のもので育ってきたので、誰かと食べ物を分かち合うなど初めてのことだった。

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