癒しの君と炎の王~炎の王は癒しの娘を溺愛中~
「ところで、どうして一人分なの?」

「俺は食べるつもりはなかったから。基本的に城の中以外で食べ物は口にしないようにしている。」

「それって…。」

「城では毒味役がいて、俺が食べる物には必ずチェックが入るんだ。」

「ここでは、私が毒味役ね。それに、毒が入ってたとしても、私が助けるわ。」

「同じ物を食べてるんだから、ソフィアが先に毒でやられたらどうするんだ?」

「あっ、それもそうね。」

二人の視線が絡み合い、同時に吹き出した。

「ハハハッ」
「フフッ」

笑い声が収まると、ロエルが、

「大丈夫。子供の頃から毒には体を慣らしていてね。ほとんどの毒には耐性があるんだ。」

「毒に慣らすって、もしかして…。」

「子供の頃から少量の毒を摂取するんだ。」

「子供の頃から?」

ソフィアの表情が暗くなった。

「ああ。子供の頃の方が狙われやすいし、俺の場合は、毒以外では殺せないからな。」

「それってどういう…。」

とソフィアが言いかけると、ロエルは空を見上げてから、

「おっと、雲行きが怪しくなってきた。ちょっと連れて行きたい所があるんだ。降り出す前に急ごう。」

「分かったわ。急いで食べるわね。」

ソフィアはそう言って、今度は無言で急いで食べた。ソフィアが食べ終わると、ロエルがプレートを返しに行ってくれた。

私、王子様になんて事をさせてるのかしら??アルバートとアンがいたら怒られているだろう。
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