癒しの君と炎の王~炎の王は癒しの娘を溺愛中~
次の瞬間、ロエルの身体を熱風の渦が包み込み、あっという間に、びしょびしょに濡れていた服が乾いた。

あまりの出来事にソフィアはびっくりして声も出なかった。

「さ、次はソフィアの番だ。」

そう言ってロエルは改めてソフィアの正面に立った。しかし、ソフィアの前に立ったロエルは少し顔を赤らめ目を反らした。

「ソフィア、すまないが、反対を向いててくれないか?」

「どうして?」

「人に見られたら困るから、見張っててくれ。」

「分かったわ。」

ソフィアはそう言うと素直に後ろを向いた。

本当の所は、びしょ濡れの服がソフィアの身体に貼り付き、ソフィアの胸の大きさから身体のラインまで、はっきりと分かる状態だったからだ。白い肌に滴り落ちる雨水がなまめかしく、ロエルはソフィアを抱きしめたい衝動を抑えながら、なるべく冷静に振る舞った。

「じゃあ、やるぞ。」

と、ロエルは言った。

ソフィアは、少しわくわくしていた。ロエルの服が一瞬で乾いた魔法のようなことを自分にもしてもらえるからだ。

ロエルの両腕がソフィアの後ろから前に回った。回されたロエルの両腕は、ソフィアに触れるか触れないかの微妙な位置で固定された。その瞬間、ソフィアのわくわくがドキドキに変わっていた。

「じっとしてて。」

ロエルが低い声で、ソフィアの耳元に囁いた。ソフィアの鼓動がさらに早くなる。ソフィアの身体は、動くどころか、緊張でガチガチになっていた。
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