癒しの君と炎の王~炎の王は癒しの娘を溺愛中~
生まれてこの方、男性に髪に触れられた事がないソフィアは、何かくすぐったい感覚になった。そして、また鼓動が早くなった。

「じゃあ、行くよ。弱めの熱風を何回か当てていくから。」

ロエルはそう言うと、先程と同じように、熱風の渦が髪を包んだ。しかし、先程の熱さより弱い熱で、何回か繰り返し、行われた。

しばらくすると、

「よし、乾いた。」

と、言って、ロエルがソフィアの髪から手を離した。

ソフィアは振り返ると、自分の髪を触った。

「すごいわ!乾いてる!」

「ああ、乾かしたからな。」

「ロエル、ありがとう!ロエルといたら、いつでも温かいスープが飲めるし、風邪をひくこともないわね!」

と、ソフィアが無邪気に言った。

「ソフィアも同じじゃないか。ソフィアといれば怪我をしても大丈夫だ。あっ、でも、俺の力は無くならないが、ソフィアの力はなくなることもあるんだよな。」

「あっ、それなんだけど…。」

と、ソフィアが言いかけた時、

「ロエル様っ!!」

と、路地裏の入口から、雨除けのマントを被ったハリスが現れた。

「ハリスか。」

「陛下、探しましたよ!すぐに馬車を回して参ります!」

そう言うと、また姿を消した。

「ソフィア、さっき言いかけたことは…?」

と、ロエルが尋ねた。ソフィアは首を横に振り、

「ううん、大したことじゃないの。」

と答えた。

「それならいいが…。」

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