癒しの君と炎の王~炎の王は癒しの娘を溺愛中~
部屋に戻ると、アンが嬉しそうにお茶の用意をしながら、

「ロエル様とのデート、いかがでしたか?」

と、聞いてきた。

「デート?」

「ええ、そうですよ!デートですよ!手は繋ぎましたか?」

「繋いだわ。でも、私がはぐれないようにする為だから。」

「そうですか、そうですか。」

アンはにこにこうなずきながら、言う。

コンコンコン

ドアをノックする音がして、アンがお湯の入ったポットを置き、ドアの方に向かった。
扉を開けるとアルバートが立っていた。

「アン、ロエル様がお呼びです。」

「私をですか?」

「はい。おや、お茶の途中だったのですね。私がお入れしておきますので、ロエル様のお部屋へ。」

「承知しました。」

と、言うとアンは部屋を出て行った。入れ替わりにアルバートが入ってきて、手慣れた手つきでお茶の用意を始めた。ポットに茶葉を入れお湯を注ぎ、懐中時計を確認し、蒸らす。再び懐中時計を確認すると、カップに紅茶を注いだ。

「どうぞ。」

「ありがとうございます。」

「アンはいつも砂時計を使っているのに、アルバートさんは時計で計るんですね。」

「ああ、これですか。癖みたいなものです。」

たわいも無い話をきっかけに、ソフィアはずっと胸に秘めていた思いをアルバートに打ち明けた。

「あの、アルバートさん、私、そろそろお城を出ようかと思っているんです。」

「アンには、話したのですか?」

「いえ、アルバートさんが初めてです。すごく良くしてくださっているのは有り難いのですが、おじいちゃんのこともあるし、このままお世話になるのは…。」

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