癒しの君と炎の王~炎の王は癒しの娘を溺愛中~
ファイアウォール城内

その頃、ソフィアが姿を消し、城中大騒ぎになっていた。

「アン、なぜソフィアを一人にした?」

と、怒り心頭の様子でニックがアンに詰め寄った。

「メ、メイド長に呼ばれて、ウォルター大臣にお茶をお出ししてっ。でもそれからすぐに戻ったんです。」

アンは怯えながらも必死に答えた。そこにメイド長が割って入ってきた。

「私も迂闊でした。お茶なんて誰が出してもいいものを、わざわざアンを指名してくるなんて。」

そこへ、アルバートがやってきた。手に持った紙をめくりながら、

「門番に確認したところ、それらしき人は見ていないとのことなので、おそらく馬車で出られたのかと…。やはりこの…ダイアナ様の馬車が怪しいですね。」

と、言うと、すかさずニックが、

「外なら思い当たる所がある!」

と言って、ベランダの窓から飛び出して行った。

「え!!」

皆が驚き、慌ててベランダから下を見ると、何事もなかったかのようにニックが走って行った。

「ここ、かなりの高さですよね。」

「あの高さを飛び降りるなんて、さすがは竜人。」

居合わせた者達全員が呆気に取られた。

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