癒しの君と炎の王~炎の王は癒しの娘を溺愛中~
「何事かしら?」

と、アンとメイド長が部屋の扉の方に向かおうとしたとき、部屋の扉がいきなりバーンと開いた。

入ってきたのは、騎士団のハリスだった。

「ソフィア様、すぐにお隠れになってください!!」

「えっ?」

「ロエル様が物凄く怒ってます!人も物も吹き飛ばしながらこちらに向かってます!」

それを聞いて、メイド長もアンも慌てた様子で

「ではこちらの内扉から…。」

と、ソフィアを連れて行こうとした途端、ロエルが部屋に入ってきた。

ロエルが物凄く怒っていることはすぐに分かった。ロエルの周りを覆う空気が歪んでいた。怒りで熱気が溢れていた。

ソフィアはアルバートから聞いた、感情のコントロールの話を思い出した。今ロエル様は感情のコントロールが出来てないんだわ…。

ロエルが、手を右に左に軽く動かすだけで人や物が吹き飛んだ。ハリスがソフィアを庇うようにロエルの前に立ちはだかったが、いとも簡単にロエルに飛ばされてしまった。しかし、さすがは騎士団にいるだけあって、しっかりと受け身を取っていた。アンもソフィアの前に立ったが、すぐに飛ばされてしまった。しかし、飛ばされた先にはハリスがいて、しっかりと抱きかかえられていた。

ロエルがソフィアの前までやってきた。
ロエルが手を大きく開いた。

飛ばされる!

ソフィアは目をギュッと瞑り、全身に力を込め固まった。
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