癒しの君と炎の王~炎の王は癒しの娘を溺愛中~
ロエルは、先程の感じとは打って変わり、口ごもりながら、

「ソフィア、その、なんだ、森で変なことはされてないな?」

「変なこと?」

ソフィアがキョトンとした顔で聞き返すと、ロエルは、ソフィアの肩に顔をうずめ、

「はぁ…。」

と、ため息をついてから、ソフィアを軽々と抱きしめたまま持ち上げると、スタスタと歩き出し、そのままソフィアを寝台に押し倒した。ソフィアの視界は天井とロエルの端正な顔だけになり、あまりの急な出来事に、ソフィアは何が起こっているのか理解出来なかった。

ソフィアの上に四つん這いになったロエルは、黙ったままソフィアを真上から見つめた。美しい青い目に捕らえられ、ソフィアの心臓は早鐘を打つ。ロエルの瞳はソフィアを見つめたまま、甘く優しい声でソフィアに問いかけてきた。

「こうやって押し倒されたりは?」

「さ、されてません。」

そう答えると、ロエルはソフィアの顔の横に片腕をついたまま、もう片方の手で、ゆっくりとソフィアの髪を撫で、長い金色の髪を一房手に取ると、自分の口元に持っていき、そっと唇を当てた。ロエルの手から髪が解放されると、そのままロエルの長い指が、ソフィアのピンクに染まった頬に触れた。その瞬間、ソフィアの身体はビクッと反応し、美しく白い肌はみるみる赤く染まっていき、固まってしまった。ロエルの指はソフィアの反応には動じず、頬から顎のラインをゆっくりと通る。ソフィアはロエルに触れられたところから、じわじわと熱を帯びていくのが分かった。ロエルの指は止まることはなく、続けて首からソフィアの鎖骨に指をゆっくりと這わせながら、

「触られたりは?」

「さ、されて…ません。」

ソフィアは何が起きているのか理解不能になるほど、緊張とドキドキが一気に押し寄せてきて、ロエルの青い美しい瞳から目が離せず、まるで金縛りにあったかのように身体の動かし方か分からなくなってしまった。

すると、今度はロエルの美しい顔がゆっくりとソフィアに近づいてきた。ロエルの形の整った美しい唇がソフィアの唇に触れるか触れないかのギリギリで止まり、ロエルの息がかかる距離で、

「キスは?」

と、質問された。
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