癒しの君と炎の王~炎の王は癒しの娘を溺愛中~
「私は風の国から、あなたのお祖父さまに頼まれて来ました。これはお祖父さまからの手紙と、この瓶には1刻の間、姿を見えなくする薬が入っています。明日の夜、城の前で待っています。」
と言いながら、ソフィアのドレスをめくりあげると、コルセットの間に、手紙と小瓶をねじ込んだ。
「0!」
というコールと共に布が降ろさせられた。ソフィアの姿はどこにもない。歓声が上がった。
「え?お祖父さまに会ったの?お祖父さまは元気?」
「もうこれ以上は。」
そして、再び、布が上がると、
「さ、戻って!」
と言って、ソフィアをカーテンの表へ押し出した。再びカウントが始まった。
「3、2、1、0!」
再び布が降ろさせ、ソフィアが姿を見せた。
会場は大いに盛り上がり、拍手と歓声に包まれた。
ソフィアは、先程踊り子から渡された手紙と小瓶が気になって仕方なかったが、出来るだけ何事も無かったかのような素振りで振る舞った。