癒しの君と炎の王~炎の王は癒しの娘を溺愛中~

愛しいソフィアへ

私は風の国で世話になっている。怪我をして動けないからソフィアの力が必要だ。迎えをやるから、風の国に来てくれ。待っている。

   ベン

「おじいちゃん…。」

ソフィアの手紙を持つ手に思わず力がこもる。ソフィアは顔をぐっと上げると、手紙を畳み、小瓶と同じように枕の下へ隠した。

おじいちゃんのところへ行かなくちゃ。確か…あの小瓶の薬で1刻の間、姿が消えるって言っていたわ。そして明日の夜迎えに来ると…。その時、ソフィアの脳裏にロエルの顔が浮かんだ。ロエル様には、俺を頼ってくれって言われたけれど…。風の国に行くと言ったらきっと反対される…。でも怪我をして動けないおじいちゃんを助けたい。あの踊り子もとても悪い人には見えなかったわ。でももし、罠だったら…。

ソフィアは頭の中で考えを巡らせた。

カタカタカタ

テーブルワゴンが近づくいてくる音がした。

ソフィアは何事もなかったかのように、ベッドから離れ椅子に座った。

扉が開き、

「ソフィア様、お待たせしました。」

と、アンが戻ってきた。アンはポットからホットミルクをカップに注ぐと、ソフィアの前に置いた。

「さ、身体を温めて今日はぐっすりお休みください。」

「ありがとう。アン。」

本当はアンに相談したくて仕方ないけど、巻き込むわけにはいかないわ。

そんな事を考えながら、ソフィアはゆっくりホットミルクを飲んだ。
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