癒しの君と炎の王~炎の王は癒しの娘を溺愛中~
ソフィアは、リハビリを兼ねて城中を散歩していただけあって、城の中の地図は頭にしっかりと入っていた。

所々に衛兵が立っていたが、何とか気づかれずにすり抜けて行った。

散歩がこんなことに役立つなんて…。

ソフィアはそう思いながら門の方へ急いだ。

門の前に来た。さすがに門はソフィア一人の力では開けられない。そして、門番も3人立っている。

どうしよう…。

そう思ったとき、ちょうど1台の荷馬車が門の前にやってきた。

「遅くなりました。」

愛想のいい若い男が、帽子を取り門番に挨拶した。

「今日は遅かったな。」

と門番が言うと、

「いや~、来る途中に道に木が倒れてましてね。通れなくて。人を集めて移動させてたらこんな時間に。すいません。」

「分かった。入れ。」

と言って、門番は二人がかりで門をゆっくりと開けた。

荷馬車が門を通るのと入れ違いにソフィアは外へ出ることが出来た。

そして再び大きな門はガチャンと大きな音を立てて閉まった。

ソフィアは道の真ん中に立ち、キョロキョロと辺りを見回した。

確か迎えが来てるはずなんだけど…。

すると道の先に、灯りがチラチラと動いているのが見えた。

もしかしてあれかしら?

ソフィアはそう思って、灯りの方に走っていった。

すると、黒い馬車が停まっていた。灯りを持った、黒いマントを目深に被った黒ずくめの御者がいた。

ソフィアは恐怖でドキリとしたが、ゆっくりとその馬車に近づいていくと、

「お待ちしておりました。ソフィア様。お祖父さまがお待ちです。さ、お乗りください。」

と御者から声をかけられた。

「私が見えるの?」

「はい。」

ソフィア薬の効き目がなくなったのかと思い自分の手を見るが、まだ消えている。

ソフィアは不思議に思いながらも、御者に誘導されるま、馬車に乗り込んだ。
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