癒しの君と炎の王~炎の王は癒しの娘を溺愛中~
ソフィアが馬車に乗ると、誰も触っていないのに、ガチャンと扉が閉まった。

ソフィアは、黒い馬車といい、黒ずくめの御者といい、少し薄気味悪く感じていた。

ソフィアが座ると、馬車が走り出した。

ガラガラガラッ

大きな車輪がガラガラ音を立てて、暗闇の中をどんどん進んで行く。

窓から外を見ると、暗闇に浮かび上がる大きかったファイアウォール城が小さくなっていた。

ごめんなさい、ロエル…何も言わずに出て来て。

ソフィアはロエルを裏切ってしまった後悔が溢れてきて、必死に涙をこらえていた。

そうよ!私はおじいちゃんを助けなきゃ!おじいちゃんを助けられるのは私だけなんだから!

ソフィアはぐっと思い直し、心を奮い立たせた。

ソフィアは座り直し、自分の手を見たとき、うっすらと見えるようになってきていた。徐々に身体が戻ってきていた。このまま見えないままだったらどうしようという不安があったので、元に戻りホッとした。

どこをどう走ったのか分からなかったが、いつの間にか、馬車は風の国に入っていた。

そして、馬車が止まると、目の前に風の国のブラスト城がそびえ立っていた。
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